やっぱり私は、この"非日常"の空間が好きだ。
Aぇ! group Zepp LIVE 2020 STARTING NOW 413に参加してきた。
新型コロナの流行に伴い、4月に予定されていたライブが9月まで延期となった。
感染症予防のため 数多くの制約があるなか、それでも彼らはステージに立ってくれた。
〜コロナ禍におけるライブ開催について〜
30分ごとに時間を区切られた規制入場、そのあとは、COCOAを提示して検温。
QRチケットは自分でもぎって、手指消毒をしてから入場。
座席は左右1席ずつが空席になり、前後には着席が重ならないように工夫されていた。
また、座席の上には「ジャニーズスマイルアップシールド」が置かれていた。
観客は、マスクの紐をシールドに通して、シールド越しにステージを見ることになる。
シールドによる見えづらさを危惧していたのだが、眼鏡用の曇り止めを塗ったお陰か視界に違和感なくステージに集中できた。
(個人的には、白マスクによる反射も気にならなかった)
今回 双眼鏡は使わなかったが、シールド越しに押し当てる形で使用することも可能。ただ、前髪を作っていないと 双眼鏡を利用した後に、シールド本体にメイクや皮脂が付着する可能性もあるのかな、と思った。
前後左右の座席が空くことにより、ステージは とても見易かった。ライブハウスの会社の少ないハコで詰め込まれると、どうしても視界の妨げがあるのだが、今回はそれが無くてストレスフリーだった。しかしながら、今後の主催側の採算のことを考えると、これを手放しに喜ぶことは出来なかった。
実際に約半年ぶりに現場に行ったことで、映像配信との違いも実感した。
ジャニーズは数多く動画による配信を行ってきたが、映像にはカット割がある。ソロを歌う人がクローズアップされ、次の瞬間には切り替わる。
これは、映像を効果的に見せる手段だとは理解しているが、見たい部分が見ることができないストレスも発生する。ひと続きにパフォーマンスが見られるというのは、やっぱり生の現場ならではだと感じた。
〜ライブ本編について〜
OP 「 "BLUES MASTER" Kill」(SMAP)
暗転の中、バンドセットにメンバーがスタンバイし、いきなり激しいロックチューンが始まる。
メインボーカルの末澤誠也さんは、拡声器を手に歌う。
叫ぶように歌う姿は、アイドルと呼ぶには荒々しすぎる。
配信『DREAMIsLAND』単独公演で、キラキラアイドルの王道ソングである、King & Princeの「シンデレラガール」を歌った彼らと同じだとは思えなかった。だけど、このパフォーマンスの振り幅こそが、彼らの魅力なのだ。
そして、続く「勝手に仕上がれ」(関ジャニ∞)
この曲を聴くと、拳をつきあげて、合いの手や掛け声を上げたくなる。発声は厳禁なので、自分を抑えて、グッと声を堪えるのが大変だった。
今年のあけおめコン『関ジュ 夢の関西アイランド 2020 in 京セラドーム大阪 ~遊びにおいでや!満足100%~』で、はじめてAぇ! groupの歌う「勝手に仕上がれ」を聴いた。ライブハウスで聴く「勝手に仕上がれ」はドームとは一味違って、音がダイレクトに届く。Aぇ! groupの溢れんばかりの熱量に圧倒される一曲であった。
勢いをそのままに、「Break Through」
今夏配信された「僕らAぇ! groupがbrakeしそうですねん⁉︎」で初披露された楽曲。
とにかく歌詞が、いまの彼らに重なって仕方ない。この曲が描く「希望」は、キラキラした光の世界というよりも、暗闇に差し込む一筋の光のようだ。決して明るいだけではなく、絶望や不安を知っているから渇望する希望の歌。彼らの持つハングリー精神が、そのまま楽曲に投影されているように思えた。
挨拶があって、次はダンスメドレー。
「PARTY MANIACS」(ジャニーズWEST)
「Party-AHolic」
「Kiss魂」(Kis-My-Ft2)
Aぇ! groupはキラキラというよりも、ギラギラとした楽曲が何故こんなに似合うのか。
クールな色気たっぷりに、歌い踊っていく。狙った獲物を逃さないかのように、細かい表情の作り込み方がうまくて圧倒される。
こんなかっこいいAぇ! groupが見たかった……!!!という欲を満たしてくれる。ファンの需要を本当によく分かってらっしゃる。
キラキラとした赤い衣装に、晶哉くんだけ黒フードがついているのだが、それを絶妙なタイミングで被って脱ぎ捨てるのが本当に最高だった。(正直フード芸でこの辺りの記憶がぶっ飛んでる)
一転して、関西ジャニーズJr.らしいノリではじまる「ええじゃないか」(ジャニーズWEST)
やっぱり関西はこうでなくっちゃ!というわちゃわちゃ感。ファンと一緒にできる振付に会場のボルテージは上がる。
本家同様、タオルを振り回して盛り上がる「T.W.L」(関ジャニ∞)
ポップで可愛い振付に、メンバー同士のアイコンタクトのやりとりが楽しかった。
ギラギラとしたクールなナンバーも、ポップでわちゃわちゃとした可愛いナンバーもこなしてしまうAぇ! groupは最強だ。
MCコーナーを挟んで、着席のまま聴くのは「アメフリ→レインボウ」(B.A.D)
しっとりと、だけど雨上がりのキラキラとした明るさもある楽曲。6人の美しい歌声のなか、6色のメンバーカラーで虹色に染め上げられた照明も、素敵だった。
Aぇ! groupのパフォーマンス力を感じたのが「DO NA I 」(関ジャニ∞)
村上さんのラップパートを一部自分用に歌詞を変えて歌う大晴くんがめちゃくちゃ良かった。「MCといやぁ」を「ギャグといやぁ」に変更していたのだが、"〇〇といやぁ"を既に確立しているのが凄い。
入れ替わり立ち替わりのフォーメーションと歌唱パート。"決め"の「マチガイの恋でも素敵やん」が晶哉くんだったのもたまらなかった。
さらに私たちを非日常に連れて行ってくれる「EJ☆コースター」(関ジャニ∞)
私は関ジャニ∞のファンなので、関ジャニ∞の楽曲をAぇ! groupが歌うことに格別の喜びを見出してしまう。本家、丸山さんと安田さんの台詞パートはメンバーカラーそのままに大晴くんと正門くんが務める。そして本家そのままの可愛い振付で踊ってくれるので、本当に最高に最高。最高以外の言葉が思い浮かばない…。
続く「Troublemaker」(嵐)
隣の人の肩に手を置いて左右に動く振付で、誰かしらが逆をいきそうになっている姿が関ジャニ∞と重なりすぎてしんどかった。(いつぞやの嵐にしやがれを参照)
そんなところまで関ジャニ∞に似てどうするんや…と頭を抱えてしまった。
着替えのタイミングで、個人のダンスコーナーが挟まれる。
晶哉くんのアクロバットを取り入れた踊りは流石としか言いようがない。
リチャードくんの正統派な踊り方は、やっぱり自然と目が奪われた。
そして、君の手の上で「アエテオドル」
楽器だってお笑いだってできるけど、"敢えて踊る"彼らそれぞれのダンススキルの高さに目が奪われる。
続く、「DON'T U EVER STOP」(KAT-TUN)
京セラの「LIPS」が決定打となってAぇ! groupに落ちたオンナとしては堪らない一曲だった。
戦闘力の高い楽曲がAぇ! groupは何故こんなに似合うのだろうか。"やんちゃ"というよりかは、ひたすら戦闘力が高い、それがAぇ! groupだ。
末澤さんと正門さんの がなるような歌声が、KAT-TUNのオラオラ楽曲と相まって最強の組み合わせなんですよ……。最高ペアリング。
ギラギラとした楽曲に負けることのない、彼らの眼光がまばゆいほどだった。
一度暗転し、バンドメドレーがはじまる。
「リリック」(TOKIO)
正門くんの男らしいハスキーな歌声が、この楽曲に見事にマッチしていて素敵だった。
若い故の粗削り感さえも、輝きへ昇華させてみせる彼らの音楽をずっと聴いていたいとさえ思った。
「象」(関ジャニ∞)
Aぇ! groupを好きになったとき「この子たちの10年後の姿を見ていたい」と、強く感じた。そんな彼らが「10年後もまたここで会おうよ そんときは今よりずっと笑っていよう」と歌うのは、胸がギュッとしてしまった。
10年後、Aぇ! groupに会うときは今よりずっと笑っていられるって、私は信じてるよ。
本編最後の楽曲は「Firebird」
いままでダンスのパフォーマンスだった曲を、一転してバンドパフォーマンスで。
ダンスでもバンドでも、という「一曲で二度美味しい」楽しみ方ができるのは、ひとえに彼らの多彩なスキルのお陰だ。
Aぇ!ポーズの手の振り付けはそのままで、客席と一体となって盛り上がった一曲だった。
暗転し、アンコールは声出しができないので、手拍子のみ。手拍子だけだと出せる音量に限界があるので、彼らにこちらの熱量を伝えることが難しかったのが残念だった。
そこから再び登場したAぇ! groupが歌うのは「関西アイランド」
関西ジャニーズJr.らしい盛り上がるナンバーで、「ほなまたな」と 歌われてしまうと、また会いたくなるに決まってる。
最後は、マイクを置いてステージ上のAぇ! groupが手を繋いで「俺たちが Aぇ! group〜!!!」で締めくくられた。
はじめてAぇ! groupの単独公演を生で観たのだが、とにかく彼らの熱量に圧倒されるばかりだった。
技術面では粗削りな部分もあったかもしれないが、それを上回るほどの熱量に溢れるステージだった。
また、バンド、ダンス、トークそれぞれの個人のパフォーマンス能力の高さにも驚かされた。
(顔がいい、歌がうまい、踊りもうまい、バンドもできる、ひとりひとりの個性が強いAぇ! group、向かうところ敵なしじゃないですか……???)
個性的な歌声やダンスが6人が一緒に合わさっても喧嘩をしない絶妙なバランスを保っていた。
彼らが、これから見せてくれる景色を一緒に見ていたいと強く感じた。
この情勢において、コンサートを開催するということは困難を極めていることは 分かってはいるが、やっぱり私は「生で見る現場」が大好きだ。
フェイスシールド越しとはいえ、同じ空間にいるというそれだけで隔たりを感じるということはなかった。
どんなに制約があったとしても、身体にダイレクトに響き渡る重低音より心を震わせるものはない。
カメラにクローズアップされない、アイドルのさりげない一挙一動は、なによりも心動かされる。
いつか、私たちの日常が戻ったその時は。
こんな非日常の特別な空間を、思う存分に楽しむことができるのだろうか。
その「いつか」の先が見えなさに心が折れそうになる時もあるけれど、こうやって少しずつだけど「いつも通り」を取り戻してゆくのだろう。
観客が声を出せないなか、誰よりも声を出して盛りあげてくれて 観客が声を出せないことがストレスにならないよう、精一杯配慮をしてくれたAぇ! groupの姿を、私は忘れることはないだろう。