深海魚

花びらに埋もれてこのまま 死んでもいいと思った

あの日の思い出を抱えて ー Winter Paradise 2020 ~ふゆパラ~ 内博貴 公演

今年も、内くんに会える冬がやってきた。

(まだ11月頭だけど。内くんがWinterっていうなら、Winterなのだ。)

Winter Paradise 2020 ~ふゆパラ~ 内博貴 公演に参加してきました。

 

 


会場が暗転して、バンドメンバーさんたちが入場。

中央に矢花くんが立ち、ベースを鳴り響かせる。

 


センターステージの階段の上から、内くんが登場し、歌うのは「PASSWORD」

昨年ふゆパラで初披露された楽曲を、ダンスつきで披露してくれた。

手のひらを身体を添わせるように魅せたり、サビでの腰振りや、2番の「トリガー引いててっぺんまで撃ち抜いて」という歌詞にもあるように、片手でピストルを作り撃ち抜く振付など、官能的な大人の色気が溢れる仕上がりになっていた。

 


「Frozen SKY」は、マイナーコードの一見すると暗い音が、内くんのはらむ危うさを際立たせる、大人の楽曲。年々、この曲の説得力と凄味が増しているような感覚になる。

 


そこから、一転して「Believe my story

V.WEST時代から、ずっと歌ってきたポジティブなエネルギーに満ち溢れた曲。この曲を聴くと、内くんのライブに来たんだな、と実感がわく。

 


こちらも昨年のふゆパラで初披露された、「満月ームーンライトー」

「立ち止まって全然いいじゃん 休んだってOK」「今日の君にThank you , goodbye 歩いてこう」

と、明日も前向きに頑張って行こう!と思える楽曲。(仕事でしんどくなった帰り道に聴きたいので、音源化してくれませんか)

 


続く「君を愛してる」はシンプルに難しい曲だなぁと思う。音の跳躍も激しいし、音符も詰まっている曲なのに、ひとりで歌いきる内くんのポテンシャルたるや。愛に苦しむ男を歌わせると内くんはピカイチ。

 

同じ未来を見つめてたい 終わることのない旅でも

という歌詞が、シンプルに染みてくる「Shear our heart」

ピンクのペンライトの、内くんとファンが作り出す、多幸感溢れるこの景色を、いつまでも見つめていたいと思わされた。

 


柔らかであたたかな歌声から一転、叫ぶような声で歌うのは「0の誓い」

あんな歌い方をして、よく声が潰れないものだなぁ、と思うくらいに熱量たっぷりで、聞き惚れてしまった。

 


帝劇の緞帳のような、赤い幕にキラキラとした照明が輝くなかでうたう「Without Your Love」

自分の曲ではないのに、4年連続セトリ入りしているこの曲。悔しいけど、やっぱり内くんにめちゃくちゃ似合ってるんですよね…

 


そして「大阪ロマネスク」

昨年ふゆパラで、内くんのソロとしては初披露された曲。そのときは、まさかこの曲が聴けるなんて、と 涙で滲んで前も見えなかったこの曲。けれど、今年はなんだかあたたかな気持ちで見ることができた。

十五祭を内くんが観にきて、セットリストに「大阪ロマネスク」を組み込んだこと。わたしは、それを一年だけの特別にしておくものなのだと、思い込んでいた。

けれど、V.WESTであったことも、関ジャニ∞にいたことも、全部が「内博貴」というアイドルを形成する歴史の一部だったのだ。

だから、内くんはこの曲を今回もまた、歌ってくれるのだなぁと思うと、胸がいっぱいになった。

会場のピンクのペンライトがぴたりと合わさる、サビの振り付けを見て、笑顔を綻ばせた内くん。ファンの振りに合わせて、思わず手を動かした様子の内くん。そのあとのMCで「(大阪)ロマネスクのペンライトありがとうね、めっちゃ綺麗だったよ」と敢えて言及してくれたことも、宝物のように嬉しかった。

 


わたしが参加した11月7日の夜公演では、『DREAM BOYS』の話題から、内くんが18歳

だったころの話になった。NEWSと関ジャニ∞の掛け持ちで、多忙を極めるなか、肺気胸になって入院したことで『DREAM BOYS』に出演できなかった話。そのなかで、亮ちゃんと最終新幹線に乗った時のエピソードを、内くんが話してくれた。

新幹線車内の揺れで肺が痛む内くんを「気のせいやろ」と亮ちゃんが一蹴した話。

内くんは笑い話にしてくれたけど、実はその発言に自責の念を抱いた亮ちゃんが、入院した内くんを毎日のようにお見舞いに行ったというエピソードもある。

当たり前みたいに、内くんは亮ちゃんの名前を出したけど、普通に考えてジャニーズを辞めた人の話はあまり積極的にしないのが普通であろう。


だけど、それ以上に内くんの隣に亮ちゃんがいたことが、当たり前の事実だったのだなぁと思うと、胸が苦しくなる。

 


MCが終わると、「虹色の空へ」

亮ちゃんのエピソードを聴いたあとに、これを聴くと どうにかなってしまいそうだった。

内くんが「夢への切符落とした 悔しさ」も抱えながら、それでも今日もステージに立ってキラキラのアイドルでいてくれることが、ひたすらに希望に満ちているな、と思った。

 


優しいピンクの照明に包まれて歌う「愛って?」

10代の頃の歌をうたっても、未だにひたすらに可愛くて、内くんの持つ"甘さ"が存分に楽しめる楽曲。

 


C&Rはできないけれど、全力で!「好きなだけTODAY」「Hi! Hi! Hirocky」

いつものコールはバンメンさんが。

内くんもペンライトを持って、一緒に盛り上がってくれた。11月7日夜公演では、2番がはじまってもペンライトの付け方がわからず、慌てふためく内くんが可愛かった。前列のファンに付け方をジェスチャーで教えてもらうも、なかなか点灯できず。やっとつけられたと思ったら、色もすぐに切り替わってしまって、慌てて戻す姿も見られた。天然が炸裂してて本当に可愛かったです(欲目)

11月8日昼公演では、ペンライトの付け方をマスターしたようで、盛大にドヤ顔をしてたのもめちゃくちゃ笑ってしまった。

 


切ない声が印象的な「僕らの声〜願いを込めて〜」

「受け止めるから」って歌ってくれる内くんがほんとうに好きなんですよね……

 


新曲 「Trust myself」

直訳すると、『自分を信じて』。ロック調の曲に、かつての後悔の念と「時計の針は巻き戻せない」といった歌詞。最後はShow must go on、と繰り返す。歌詞に内くん自身が投影されているように思えて仕方なかった。

 


これぞ内博貴の真骨頂、「Master Key」

ピンクのレーザーの檻に囚われたような演出。かつて少年が背伸びして歌った大人の楽曲を、色気たっぷりに歌い上げる。

苦しそうな高音も、かき上げた前髪も、どこかセクシーに感じとれてしまう。

 


「Crave it」 ここでもう一度踊ってくれたの、本当に最高でした……。贅沢をいえば、アイドル・内博貴のダンスがもっともっと見たい。長い手足はダンスに映えるから、本当に美しい。また踊ってね。

 


最後に歌ったのは、新曲「our story」

冬を感じるベルが鳴るイントロからはじまる、ポップな楽曲。

"ありがとう、一緒に歩んでこう"という前向きなメッセージと感謝の思いが伝わる曲。

 

 

 

アンコールの声は出せないけれど、拍手でアンコール。

「この曲、キー高いねん…」とイントロ中に愚痴りながらも、歌い上げてくれたのは「今、此処に」

「3ピース」では1番を矢花くんが歌ってくれた。

歌う矢花くんの横で、内くんがわちゃわちゃする姿も見ることができたのがよかった。

 


一年ぶりの内くんのライブ。

「まさか今年も出来るなんて思ってなかった。」と内くんが言ってくれたように、わたしも今年また内くんのライブを見られるとは思ってなかった。感染予防の制約により、"いつも"通りじゃない部分はたくさんあったけれど、それ以上に内くんから沢山エネルギーをもらうことができた。

 


コロナ禍で、当たり前だと思っていた日常が、奪われていく感覚を思い知らされた。

だからこそ、内くんが今日もアイドルとしてステージに立ってくれているこの瞬間に、感謝の気持ちを忘れないでいたいと強く感じた。

そして、もう一つ。

いくら"当たり前"を奪われたとしても、かつての思い出は誰にも歪めることができないということ。

内くんのアイドルとしての歴史を辿ると、本当に色々なことがあった。でも、どのグループに所属しようが、隣にいる人が変わろうとも、たとえそれがファンにとって悲しみが伴っていても、それらは、いまの内博貴というアイドルを形成する歴史の一部なのだ。

それは、いままで、ずっと内くんを応援してきた自分が、肯定してくれているようで。

グループに戻ってほしい、でも戻れない、と悩み苦しんだり、ときには風当たりが強かったり。だけど、どんなことがあっても、いつでも内くんが大好きなことに変わりはなかった。

他の誰でもない内くん自身が、いままでの内くんを肯定してくれることで、わたしは救われたような心地になったのだ。